廃線船木鉄道の大棚隧道をゆく [廃墟&近代化遺産]
かつて日本中を鉄道が網羅していた
時代に山口県の宇部市から
吉部まで鉄道が通っていました
廃線になった路線ですがそれも約50年近くも前から
埋もれ続けている鉄道跡へ
廃墟ハンターは来ています。
廃線を全線辿りたいけど地元じゃない僕には
無理そうなので一番鉄道の遺構として
魅力のある物件が嘗ての終着駅の吉部に程近い
所に残ってるようなのでそれにターゲットを絞ってやってきたのだ。
大正5年に船木軽便鉄道として
開業し鉱物を主の運んでいた鉄道でした。
直近の大正7年に船木鉄道となり
吉部から石炭などを運んでいたのでしょう。
太平洋戦争中は休止していた
鉄道だが終戦後も石炭の需要が落ちて昭和36年といった
比較的早い時期に廃線を迎えた路線です。
線路などはもう廃線から50年近く経とうとしてるので
跡形も無いけど立地が今でも田畑が残る
長閑な場所だったので畦道ですが
こうして廃線の跡が残っています。
その畦道から竹林の中へ入ると・・・
船木鉄道唯一の大棚隧道が見えて来た
荒れてはいるけど
普通に歩いていける足場は確保されています。
近くまで寄ってみると
赤煉瓦だ。
下部は石積みで上部が
赤煉瓦のノッポなトンネルです。
良く見る単線のトンネルのように下の方は狭まってなくて
垂直に切り立ったまま上部で
アーチを描くデザインのトンネルでした。
振り返って見ると
トンネルまでは切り通しだったようだね
意外と明るい竹林だったので
あまりビクビクしないまま
トンネルの中へ入って行けたよ。
この大棚隧道は大正15年に吉部まで延長された時に
出来た隧道で
もう85年くら前の物と言うことになります。
上部が黒いのはSLの煤かな?
吉部側から入りましたが
宇部側はこんな感じ ↓
かなり自然回帰しています。
歩きでも結構ハードな辿りになりそうなほど
荒れています。
入った方とは違った
時の流れを感じるような状態だ
嘗ては日本を支えた石炭を
運んでいた面影はもう無い
苔が煉瓦を隠すように
蔓延っていて遺跡らしい風景となっています。
まさに
近代化遺産
もう95年にもなるのに
しっかりと形を留めている
大棚隧道に敬意を示して廃墟ハンター流の敬礼!
セルフダッシュの足音が
エコー効果で聞こえる
大棚隧道からでした。
竹林から出ると
終点の吉部方面が見えるけど
藪に埋もれていくのであります。
今日も楽しい廃墟探検に
お付き合いいただきありがとうございました。
かなり解り難いところにあるけど
廃線跡さえ見つけてしまえば
意外とスイスイ行ける隧道はココ